「縁」

土岐市 清安寺 住職 大久保 厚志 師

春のお彼岸がやってきます。古くから「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、お彼岸は日本の伝統的な行事です。お寺やお墓にお参りし、脈々と伝わるご先祖さまの「おかげ」に手をあわせてください。また、ご自身の生活をみつめる仏道修行の期間としていただければと思います。

さて、春は出会いの季節とも言われます。様々な存在が関わり合うことを仏教では「縁」といいますが、その縁はその人の心掛け次第で、「善縁」にもなり「悪縁」にもなります。

折角結んだご縁であれば、善きご縁にしたいと思うのは誰しも共通なことと思います。

縁は自分で作り上げて行くもの。つながりをどう受け止め、どう行っていくかが大事です。

仏教でいう「善」とは、お釈迦様の教えに寄り添う生き方であります。「善」なる行いの積み重ねは、きっとご自身を清らかにし、周りの方にも良い影響を与えることと思います。教えに背を向けた「悪」の生き方をしないよう一人ひとりが「善縁」に包まれると同時に、周りへの発信源となれるようお祈り申し上げます。