「伝えつなぐこと」

美濃市 正林寺 住職 荒田 章観 師

2月15日はお釈迦様がお亡くなりになられた涅槃会となります。毎年各寺院では涅槃図をかけ、お釈迦様をご供養します。涅槃図を見ると横たわるお釈迦様の周りではお弟子様だけでなく、たくさんの動物たちも一緒に悲しんでいることが分かります。

お釈迦様が最後にお説きになられた教えが佛垂般涅槃略説教解経「ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう」(佛遺教経「ぶつゆいきょうぎょう」)です。その中でお釈迦様は「私の教えは全て皆に授けた。これからは皆がその教えを伝えていく番だよ。そして、それが続く限り私はずっとそばで見守っているよ。だからそんなにも悲しまないでおくれ」とおっしゃられました。ご病気でご自身が苦しい中でも最後までお弟子様の行く末を案じておられたのです。

私が普段から大変お世話になっているご老僧に「自分が学んだことはできるだけ伝えるから、それを自分なりの形にして誰かに伝えてあげて」と教えられたことがあります。それは法要の作法であったり、お経の読み方であったり、お釈迦様や道元禅師様の教えの考え方であったりと、さまざまでした。なかなか上手にならない私のために根気強く何度でも教えていただきました。

師匠から弟子へ、また親から子へ。教え続け、伝え続けることが、お釈迦様が最後まで大事にされたことであり、今こうしてお話を聞いていただいた皆さんへのご縁へと続くものでもあります。伝えることの喜びをどうぞ大事にしていただきたいと思います。