「挑戦すること」

白川町 豊川寺 住職 宇都宮英俊 師

新年を迎え半月以上が経ちました。新たな気持ちで新年を迎え、今年こそは達成したい目標はあるかと思います。

私自身何年もかけて挑戦してきたことがあります。その挑戦はとある資格の取得に向けての取り組みでした。合格率は20パーセントと言われ、中々合格するには大変だという認識でいました。はじめはもともと受からなくてもよいと思い軽い気持ちで何度か挑戦しました。ただ年数が経つうちに学習する意欲にむらがあり、集中して取り組もうということもできずにただ挑戦しているだけという自分がいました。しかし、職場の同僚や先輩方に頑張れと、声をかけてもらえたり、一緒に挑戦して頑張りましょうと、前向きな声がかかるようになってきて、今のままではいけないと心を入れ替え挑戦をあきらめずに続けました。まわりからの声で自身の怠惰な気持ちに気づき、自分の気持ちの甘さに反省をしました。それから心を入れ替え時間を見てコツコツと自身にあった学習方法で何とかその挑戦を果たすことができました。

ひとはあるところまで達すると少し歩みを止めて先に進むことをやめてしまうことがあるように思います。「百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)に一歩を進む」という禅のことばがあります。

この言葉はあるところまで達すると竿の先まで達して、竿の先にはもう道がなくさらに一歩を進もうとするということであり、尽力を尽くしても、さらに尽力するという教えです。

みなさまもすでにやりつくしてしまっていることがあり、悶々とすごしている方もあるかと思います。そんな時にこの言葉のようにさらに勇気を持って、前進してみてはいかがでしょうか。その先にまた新しい世界が広がっているかもしれません。