生命はただ一つ、人を生かす命も花を咲かすのも鳥がさえずる命もただ一つの命

中津川市 源長寺 住職 久扇 泰方 師

初夏の大変過ごしやすい季節となりました。

先日、本屋さんに入りますと一冊の本が目に入りました。吉野源三郎氏原作の「君たちはどう生きるか」という作品の百九十万部のベストセラーの漫画です。

主人公と友達との悩み、友達への裏切りとその反省と立ち直りといった内容だったと思います。青春時代の挫折と悩みを書いたものです。

私どもは毎日多くの人々と関わりを持ち生活をしております。この出会いを縁と呼びます。

友達との出会い、夫婦、子供との出会いも縁です。こうしてお話しをさせていただいておりますのも仏縁と言っていいでしょう。

私どもは色々な所で縁を結んでおります。相手の心を思いやり感謝の出来る心から良き縁が生まれると思います。

私は四年前に大病を患い、生死をかけて十二時間の手術を受けました。すべて先生方におまかせ、まな板の上の鯉状態でした。そこで良き縁に遇い、医師の方々を始め、看護師さん、その他多くの方々のお力によりどうにか生きることが出来ました。大変感謝をしております。

お釈迦様の御教えに「生命はただ一つ、人を生かす命も花を咲かすのも鳥がさえずる命もただ一つの命」とあります。

周りの人たちとの良き縁と命を頂いた多くの人々のお力に感謝しながら生かされていることに手を合わせたいと思います。 合掌