岐阜県宗務所 副所長 逸見智孝師
手を合わせるおもい
彼岸の迎えお墓参りをし、仏壇に向かい、ご先祖に手を合わせお参りをする自然の姿でしょう。
私たちが生活する中で、手を合わせるきかいは、幾度と無く有ると思います。一例をあげれば食事をする前、し終わった時、手を合わせ「いただきます。」「御馳走様でした。」この作法は古来から行われております。では、この作法にはどのような意味が有るのでしょう。その時、食事を作って下さった方に対して、「食事を作って下さって有難う」と言う思いが有ると思います。しかしながらもう少し深く考えればその時、食材となって私たちが口にする物、お米、野菜、お肉、お魚すべてが命であると言う事なのです。私たちは、そうした命を頂いて生かさせて頂いているのです。また、「頂きます」と言う言葉には、「今から自然の恵み命を頂きます。」「御馳走様でした」と言う言葉には、「今、口にした食材一つ一つは多くの人が走り回り、そして多くの人の労を経て、今食事させて頂きました。」と言う様な意味が有るのです。こんなことから考えても、食事をする手を合わせ「頂きます」「御馳走様でした」と言う作法には、「今日、生かさせて頂くのも自然の恵み命を頂戴するからです、有難うございます。」と言う思いが有るからではないでしょうか。ご先祖に手を合わせる思いも「ありがとう」の思いではないでしょうか、彼岸のこの時季皆さんも考えて見て下さい。