「相手を思うこころ」を育てよう

岐阜市 林陽寺 住職 岩水龍峰 老師

縁あって、青少年育成市民会議のお役をいただき、地域の安全・安心を守るべく活動をしております。そうしたお役には充職があり、最近では教育委員会から小学校や中学校の評議員の辞令をいただき、授業参観などを通して、親目線でない視点からのお話を求められます。

子ども達からは通学途上や学校の中で、大きな声で「おはようございます」「こんにちは」などと声をかけられ、運動会などで一緒に走ると、年を取るのを忘れてしまいます。とても有り難いことです。

さて、どの学校にも教育目標があります。「だれにも笑顔で学校生活を送れる〇〇小学校」「自ら学び 心豊かに たくましく生きる子」さらに「相手を思う」具体的には「あいさつ・そうじ・伝え合い」などの標語が、廊下などに掲示されています。

学校に掲示されていると、我々が大切にしようとしている禅の教えと異なるように思いますが、なんと、同じですね。

夏休みに各地で「子ども禅の集い」が開かれます。そこで使われるテキストに「つどいのしおり」があります。

『修行』って何!難しいことのように思いますが、実は「本当の自分と向き合うこと」、「一瞬一瞬を大切にすること」それは「ふだんの生活の中でしている何気ないことを大切にしていくこと」だよ・・・等と教えます。

具体的には、一つ、大きな声であいさつをしよう。二つ、生活の一つ一つを大切に。三つ、みんなと積極的に話をしよう。等です。

相手を思い、相手をお互いに認め合うことです。そして、掃除をしたり、一緒に食事を作ったり、ゲームをしたり、具体的に活動をしていくのです。

このようにお寺でも、学校と同じように子ども達を育て上げるような場があるのです。皆さんも、どうぞ、夏休み等にお寺を活用していただき「他に人を思う、相手を思うこころ」を育てていただきたいと思います。