「慈悲の功徳・心を届けよう」

宗務所所長 安養寺 住職 小島尚寛 師

新年明けましておめでとうございます。皆様の益々のご健勝をお慶び申し上げます。

日頃より、このテレホン法話をご拝聴頂き御礼申し上げます。

新年号令和元年は暮れ、令和二年の新しい年を迎えました。

しかし、昨年は度重なる自然災害が生じ、その度に涙し、心を痛める一年でした。

被災された方々は、その中前を向いてしっかりと歩み出されています。

私たちは一人では何もできないかもしれませんが、一人一人が繋がり、大きな輪となれば悩みや不安の中から抜け出すことができることでしょう。

その輪となり、人々をお助けする力となるのに、菩薩の願い、四つの智慧(四摂法)の実践がありません。

・一つには/布施-貪らず、この世とあの世の幸せへの種蒔きをする-人の役に立てるべき、僅かなものであっても自分の持てる力で素直な気持ちで広く施すこと-

・二つには/愛語-心を満たす愛情の言葉を送る-人のことを思うとき、慈しみの心を持って、優しき言葉を差し向けること-

・三つには/利行-助け合う喜びの心を持ち合わせる-困っている人がいれば、だれにでも素直な心で救済すること-

・四つには/同事-逆らわず、押し付けず、へつらわざる慈悲の心を持ち伝える-相手を思い、悲しみや苦しみを共にし、自分を相手に和し、同じくして、協力をなすこと-

被災地の復興にはまだまだ、時間もお金もかかることでしょう。

岐阜県宗務所として、皆様の心を届けたく菩提寺さんを通じて、復興義捐金を募りたいと思っている次第でございます。

今、私たちのできることは、僅かなことかもしれませんが、皆様の人を思う心が一つの輪となって、四つの智慧を実践することが、復興への手助けとなることと強く思います。

本年が皆様にとっても良い年とならんことを願い、共に精進してまいりましょう。