山県市 大喜院 御住職 高橋豊和 師
先日、私は訳あって憲法を読むことがありました。中学・高校時代に読んだことがあるとは思うのですが、改めて読み直すと崇高な理想が書かれている印象を受けました。
日本国憲法の3大原理は、基本的人権の尊重、主権在民、平和主義であります。
憲法14条では、「すべて国民は法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会関係において差別されない」と記されています。
平等とは、もとは仏教用語であります。お釈迦様は、いかなるものも、本来は差別がないとして、インドで古くからあるカースト制度を否定されてきました。生きとし生きるもの、何の差別、分け隔てなく、いとおしんでくださると考えられ平等大悲という言葉もあります。
さて、平等は、みんな同じということなんでしょうが、人の人格、価値観、能力、経済力、生まれ育った環境はさまざまであり「みんな同じ」ということは、なかなか難しいと思われます。なので、最低限何を「同じ」にするのかということになるのでしょうが、このとらえ方も人それぞれなので難しいということです。
つまりは、人はそれぞれ考え方が違うので、それを認め合うことにより平等が実現するのではないかと考えます。さまざまな差別、「あの人は○○だから」の決めつけや偏見をなくすことが、日本国憲法でいう崇高な理想を実現するための一つとなるのではないでしょうか。