いのちをつなぐ「はし」

各務原市 宝禅寺 住職 宮崎證俊 師

テレビのニュースで海外の学生の方々が、東日本大震災の被災地を慰問され、津波にあわれた人から、その時の体験談をうかがったり、復興の様子を学ばれたりしておられることを伝えていました。

その学生さんたちの代表の方が、私たちは国と国をつなぐ「橋」になりたいと現地の方々とのお別れの席で述べておられました。

私たちは国と国をつないで、お互いに助け合っていくことが大事だとも述べていました。

たしかに国と国をつなぐ助け合いの架け橋が、やがて人と人を結ぶ懸け橋になり、心と心をつなぐ橋にもなると思いました。

「はし」はつなぐ役目をもっています。

さて、私たちがお食事をするときに使う「箸」はどうでしょう。

字は違えど「はし」というからには、何かをつないでいるのではないでしょうか。

食べ物を一つひとつ口まで運んでくださる二本の「はし」

そこには沢山の意味があると私は思います。

その一つは食べ物のいのちを戴いているということです。お肉もお野菜も、そのいのちを「はし」が運んでくださり、私達は生かされているのです。

そう思いますと「箸」に感謝しなければなりませんね。

私自身も「はし」のように、あとに続く人たちの架け橋になれたらと、慰問くださった学生さんを見ながら思ったことでございます。