因果応報

海津市  円城寺 副住職 矢野孝大師

 

因果応報とはよく聞く言葉ではありますが、仏教用語であります。悪い行いをすれば罰を受けるという意味で捉えられがちですが、善い行いをした場合でも良い結果が返ってくるのです。

仏教では全ての行動には原因と結果が伴い、それを決めていくのは自分自身であると言うのが本来の意味であります。

拙僧が信者様の家へ向かう途中に側溝にタイヤが落ちた車がありました。私はお坊さんの格好でしたので汚れるのが気になりましたが、人助けだと思って手伝いました。

それから半年くらいだったと思いますが、渋滞を避けるために普段は通らない山道を運転していました。ところがトラックとすれ違う際に片輪が側溝に落ちてしまったのです。

生憎雨上がりでありましたので泥で滑ってどうにもならず途方に暮れていたところ先ほどすれ違ったトラックがロープを持って戻ってきてくれたのです。

この時ほど因果応報という言葉を意識したことはありませんし、人のつながりを感じる経験でありました。皆様も、目の前のゴミを拾うとかお年寄りに席を譲るなどちょっとした事で結構ですので善行を積まれることで豊かな人生を得られるのでは無いかと思う次第であります。