「お盆」

高山市 善久寺 住職 近藤 洋右 師


 このごろは、木々の緑も色濃く、あかりをともして、御霊を迎える気持ちは、しみじみと落ちついたものを感じます。
 お盆は、インドの言葉で「ウランバーナ」といい、「ウラボン」と音訳されます。いつのまにか「ウラ」が取れて「ボン」「お盆」というようになりました。その意味は、「さかさまの迷いと苦しみから救う。」ということです。
 お盆のいわれは、遠くお釈迦様のお弟子、目連尊者が、餓鬼道に落ちた亡き母を救うために行った供養がその始めといわれています。ですからお盆は、いろいろのたべものをご先祖様に供えて供養するならわしです。日本でお盆が広く定着したのは、江戸時代以降とされています。そして、「迎え火」「送り火」などのゆかしい行事や「盆おどり」といった、楽しい行事も行われますが、その行事の奥に流れる、自己反省と御先祖様への感謝・報恩を忘れることなく再確認し、自分の命のつながりを意識するのです。
 現代でも、多くの人がこの時期に里帰りをして実家の墓参りをするなど「家族と先祖をつなぐ時間」として受け継がれています。お盆を迎え、御霊をおまつりするこの尊い家庭の行事を一層意義深い行事といたしましょう。