多治見市 福壽寺 副住職 伊藤隆祥 師
春は自然の中で新しい命が芽吹き、花が咲き誇る季節です。寒い冬を越えて、温かい陽気が広がり、草木が生き生きと生長を始めます。このように、春は「再生」と「希望」の象徴とも言える季節です。
仏教の教えにも「生死の循環」という考え方があります。命は常に生まれ、育ち、やがて終わりを迎えます。それでも、死後にはまた新たな命が生まれるという無常の心理が私たちに伝えられています。この自然のサイクルを見つめることで私たちも命の尊さを再認識し、今この瞬間を大切に生きることの重要性を学ぶことができます。
無いという字に常と書いて無常です。「無常」という言葉には、全てのものが移り変わり、永久に同じ状態ではないという意味があります。春に芽吹く新芽も、やがては枯れていきます。それが自然の摂理であり、私たちの生き方にも通じることです。
私たちも今この瞬間に起こる出来事に無駄なく向き合い、感謝しながら生きていくことが大切です。春の陽気に包まれて心を清らかにし、周囲の人々と共に生きる喜びを感じながら過ごしていきましょう。
また、曹洞宗の教えである「禅」の精神に従い、今ここに生きることを大切にし、一つ一つの瞬間に心を込めて味わっていきましょう。
