岐阜県宗務所 所長 小島 尚寛 師
新年明けましておめでとうございます。
皆様の益々のご健康をお慶び申し上げます。
日頃より、このテレホン法話をご拝聴頂き御礼申し上げます。
宗務所所長を拝命して早三年、私の新年テレホン法話は最後となりました。
時に今、二年以前の新型コロナウイルス感染症により、また多くの事件や事故、度重なる自然災害により、人々は心を痛め、苦しみ、悩みの中にいます。
社会は混迷の一途を辿り、私たちは自らの冷静さを見失いがちとなり、誤解や偏見、様々な分断が現われ、人間関係に希薄化が進んでいる感がいたします。
しかし、このような苦難は、過去何度も繰り返され、その度に先人たちは、学び、智慧を出し合い、慈悲の心を持って、他人を思いやり助け合って来たからこそ、私たちの今があるのです。
お釈迦様は人生における苦悩の中で菩提樹の下、坐禅を重ねられ、お悟りを開かれました。
私たちも今こそ、仏様と向かい合い、こころ静かにこの時を見つめ、先人の教えを学び、今の困難に直面しているのは自分だけではないことをまずは自覚し、他人の苦しみも共感出来る思いやりを忘るる事無く、「慈悲の心」「菩提心」を持って、日々を進みましょう。
この一日の精進が、人と人との温かなつながりを深め、この世での私たち自身の徳となり、それがご先祖様への功徳となって、更に家門繁栄、子孫長久にへと繋がることでありましょう。
小さな一歩であっても、進み続けることが、今の世に生きる私たちが安らかに暮らせる明るい明日を迎えることのできる未来への道標となるのです。
「人生はその時その時の積み重ね、正しく、明るく生きましょう。」
心静かに今を見つめ・ともに学び・ともに願い・ともに実践して、新しき良き年へと、一歩を進みましょう。
怨敵退散・如意吉祥ならんことを。