自ら先に直す

関市 永昌寺 住職 鬼頭周賢 師

皆さん、こんにちは。

日頃、相手の欠点ばかりが目につきイライラしてしまうことはないでしょうか?夫婦の間でも、親子の間でも、兄弟姉妹の間でも、他人との間でも、自分の悪い所を反省して直そうとするよりも、相手の悪い所ばかりが目について、それを指摘し直させようと責めているのではないでしょうか?

相手を責めれば責めるほど相手は責め返してきますし、相手ばかり責めて悪い所、気にいらない所を直させようとするのは少しも効果のないことです。この話を聞いて「なるほど」と思い、この話を相手に押し付けて自分は反省しない愚かさを私達人間は持っています。

人間のこうした愚かさを思う時、静かに自分を見つめる時間を持つことが如何に大切で必要であるかということに気づきます。「自分を見つめ、まず相手より自分が先に直していく、そうすれば自ずと相手も直ってくる」と知ること、悟ることこそが大切です。

現代は、あらゆる面で批判の目を持つことが大切と言われ、その目を養うことが必要とされ、それが世の中を見極めることとされています。確かに必要な事です。

しかし、日常生活の中での人間同士の関わり合いには、自分をしっかり見つめる目があってこそ、自分を見つめ直すことが出来てこそ、人と人との交わりを円滑に保つ重要なポイントであることを忘れてはなりません。

まず相手を責めるよりも、深呼吸をして自分を見つめ直すことから始めてみましょう。