日々を大切に生きる生き方を

中津川市 源長寺 横田 英和 師

3月になりました。春に近づき少しずつ暖かくなっていく気温の変化の大きい季節になります。また、この時期から卒業、入学、入社など生活環境も様々な変化が起きる時期かとも思います。

この様に環境の変化が大きいときは新しく良いことも悪いことも起きる物です。例えばよい人との出会いが有ったり、自分のやりがいとなるものがみつかったり、新しい活動の場が自分になかなか馴染まなかったり、気候の変化で体調を崩したりなどと色々な事があると思います。

ですが自分にとって良いと思える日も悪いと思える日も一日一日私たちを作り上げていく大切な日なのです。このことを教えてくれる言葉に「日々是好日」という言葉があります。

この「日々是好日」という言葉は中国のある僧侶が弟子に「今後15日がどの様な日になるか答えよ」と問いかけ、弟子から納得のいく答えがなかったので問いかけた僧侶が「日々是好日」とおっしゃったと言われています。

これを聞いてふと疑問に思わないでしょうか。なぜ過去の日ではなく、未来の日が好日と言えるのかと。

この僧侶が言われるには晴れの日も雨の日も色々な日があり、良いことも悪いことも次につながる大切な出来事や経験なのです。ですから自分の物差しで物事の良し悪しを判断して一喜一憂したりせずに今この時をあるがままに大事に生きることこそ好日であると。

私の話になりますが以前、体調を崩していたことがありました。なかなか自分の思い通りに動けず、そのことから悩み、苦しんでいた時期がありました。ですがこの時にも友人がいつもと変わらない形で私に声をかけ、接してくれました。それ以前も友人の大切さは分かっていましたが、このことで更に友人の有難さや人にやさしく接することの大切さを感じました。その時は気付けませんでしたが今思うとこの苦しんだ日も大切なことを教えてくれたかけがえのない瞬間であったと思います。

皆様も良い日悪い日ではなく、代わりの無いこの一瞬一瞬が良いときになるように心がけ生活してみてください。今この時を生きている事を大切に思い、少しでも心穏やかに日々を過ごしていただければ幸いです。