平凡な日々の中に

多治見市 普賢寺 住職 水野 誠司

現代に生きる私たちは、何もかもが当たり前にたってしまい「感謝」の気持ちが少なくなっているように思えます。物があふれ、お金を出せばある程度の物は手に入れることができます。

暮らしの中でも、水道の蛇口をひねれば水が出て、夜でもスイッチ一つで明るい場所に居ることが出来ます。普段からそれらが、当たり前のことであって、あまり「ありがとう」と言う感謝の想いは生まれてきません。

人はそれらが無くなってその有り難さに初めて気づくのです。

今、地球は怒っています。様々な国で自然災害が起きています。日本でも、地震・津波・噴火・洪水と言った自然災害が起きています。記憶に新しいのが。「熊本地震」です。たくさんの家屋が倒壊し、大勢の人々が家を失いました。

ある被災者の方々が「地震で家が崩壊し住む所もなく、水や食料を確保することも困難です。当たり前と思っていた暮らしが、地震で一瞬でなくなってしまい、それがどれほどありがたいことだったか初めて気づきました。」とおっしゃっていました。

平凡な日々の中、当たり前と思っていることが実はとてもありがたいことです。色々なものに支えられ、私たちは生かされている事にもっと感謝すべきです。