関市 宝泉寺 住職 花村英映師
「みんなちがって、みんないい」 今日は、金子みすずさんの詩について考えて見ましょう。 「わたしと小鳥とすずと」 わたしが両手をひろげても、 お空はちっともとべないが、 とべる小鳥はわたしのように、 地面をはやくは走れない。 わたしがからだをゆすっても、 きれいな音はでないけど、 あの鳴るすずはわたしのように たくさんなうたは知らないよ。 すずと、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。 金子みすずさんの詩のなかで、もっとも人気があるのがこの「わたしと小鳥とすずと」だそうです。「みんなちがって、みんないい。」というところがとってもすてきで、うれしくなるんだそうです。 わたしもこの詩を読んだとき、「人には人それぞれのよさがあるんだから、もっとおたがいに他を認め合って、生きてゆきたいものだ」と思いました。 人種差別・いじめ問題なども、この「お互いに違うところがすばらしい」ということを忘れてしまうことから始まるのです。 本当は、人類の理想はみすずさんが歌ってくれているように「みんな違って、みんないい」なのです。 そして大人がこれに反する生きかたをしてゆくと、こどもも「みんな違って、みんないい」ということを、すてきだと思わなくなってゆくのではないかと心配されています。 一つの山に登るにも、脚の強い人は急な坂を行ってもいいし、弱い人は時間をかけてゆっくり回り道を行けばいいんです。海を見たけりゃそっちの道、いずれ頂上で会えるのです。それぞれちがって満足です。 「みんな違って みんないい」一歩止まり自分を見つめ、相手を思いやる心を持ちたいものです。