「良い天気、悪い天気」

郡上市 北辰寺 徒弟 岡本眞人 師

晴れの日には、「今日は良い天気ですね。」雨の日には、「今日は生憎の天気ですね。」と、普段の何気ない会話の中で自然と言ってしまうことがあります。良い天気だと気分が上がり、悪い天気だと気分が沈んでしまう。天気の良し悪しに気分が左右されてしまうこともあります。さて、この天気が良い、悪いというのはどのように決まるのでしょうか。

有名な禅の言葉で「日日是好日」という言葉があります。「毎日が良い日である」といった意味です。

我々曹洞宗の僧侶は、日々の生活が修行であると捉えています。お経を上げたり、坐禅をしたりするだけでなく、掃除も修行の一環です。晴れた日には、外に出て草抜きをしたり落ち葉を掃いたりします。晴れの日は修行をするのに適した「良い日」と言えます。反対に雨の日は、外に出て掃除をすることができません。しかし、窓拭きなど屋内の掃除をすることが出来ます。雨の日もまた、修行をするのに「良い日」です。雪の日には、雪掻きをします。雪の日もやはり「良い日」です。どのような天気であっても毎日が修行に適した良い日、好日と言えるわけです。

良い天気の反対は悪い天気、と決め付けていないでしょうか。「プラスの反対はマイナス」というのはあくまで数字の世界であり、我々が生活している世界では「プラスの反対もプラス」と捉えることができます。今日一日が皆さんにとって良い日、好日となりますように。