「日日是好日」

飛騨市 円城寺 住職 大西真隆 師

中国、唐の時代の禅僧、雲門文偃という方の言葉に、

日日是好日「にちにちこれこうじつ」という言葉があります。

毎日が素晴らしい日だ、といった意味ですが、それは毎日が順調で悪いことが何一つない、と言っているのではありません。

もしもそうであれば、何か嫌なことがあればすぐに好日ではなくなってしまいます。

どんな人でも常に順調に毎日を過ごしていくというのは難しいものです。

実は日日是好日は「毎日毎日を好日にせよ」といった命令形なのです。

そんなことできるわけがない、と思われるかと思いますが、心の持ちよう一つで、それが出来ると雲門文偃禅師は考えられ、この教えを説かれたのではないかと思います。

ではどうすれば「日日是好日」になるのでしょうか?

簡単に言えば、どんな日であっても「今日はいい日だ」と思うようにすればいいのです。

例えば雨が降っていても「いい日だな」と思えばいい。実際、昔の方は雨ごいをしたように雨が悪いものとは言えないですよね。ほかにも病気になって辛くても、前向きに毎日を過ごし「いい日だな」と思うようにする。

「一病息災」と言われているように、病気だからかえって体を労わることでより長生きできるかもしれないのです。

このように毎日を肯定的に見ていくことが「日日是好日」なのです。

日ごろから「日日是好日」を心がけることで、より豊かな生活を送って頂ければと思います。