「別れと出会いの先に豊かな人生」

土岐市 仏徳寺 副住職 佐々 繁樹 師


10年に一度という寒波も終わり、三月も後半になり別れと出会いの多くなる季節になってきました。新しい学校、新しい会社、新しい土地へと生活の場が変わる方も多いでしょう。別れという言葉は単語にするとマイナスのイメージになり、出会いという言葉は単語にするとプラスのイメージになります。二つの単語を足して、別れがあれば出会いがあるという言葉にすればプラスのイメージになるでしょう。別れを超えて新しい場所へ進むことは新たな出会いがあり、新たな学びを得ることができます。

そして、今の自分があるのは今までのたくさんの出会いと別れの繰り返しの上に出来上がっているのです。もしあの時、違う学校に行っていたら、違う道に進んでいたら、違う選択をしていたらと考えると今の自分はいなくなってしまいます。人はたくさんの選択の中から今の人生を選んでいるのです。そして今の人生を満足させるには岐路に立った時、選択を他人にゆだねるのではなく自分自身で選ぶことです。他人にゆだねた結果、満足いかない結果になると他人のせいにしてしまいがちです。あの人のせいで今の自分になってしまった、本当はこんなんじゃなかった、と不満ばかりが募ってしまいます。しかし、自分で選んだ結果なら、また自分の努力で取り返すこともできます。また選びなおせばいいんです。自分の選んだ結果は受け入れることができるはずです。

そして、四月になれば新しい出会いが増える季節になります。新しい出会いの中には今の自分をさらに成長させてくれるものもきっとあります。新しい学びも、新しい選択肢もできるでしょう。これからの一年を楽しく過ごせるようたくさんの新しい出会いをつくり、選択肢を増やしていきましょう。選択肢が増えればそれだけたくさんの未来を描くことができます。その中から自分の進みたい道を選ぶ、その積み重ねが人生を豊かにしていくのです。豊かな人生の為に一歩を踏み出しましょう。