岐阜市 林陽寺 副住職 岩水 峰雪 師
今日は、「心の働き」について少しお話をしたいと思います。
ヨガの後に坐禅をすると、「頭がすっきりしました。」「心が軽くなりました。」という声をよくいただきます。それは特別な状態になったのではなく、絶え間なく働いている心が少し静まったからかもしれません。
心の仕事は「思うこと」です。過去を振り返り、未来を心配し、人と比べ、時には自分を責めることもあります。思うこと自体は自然な働きですが、その思いに振り回されると、私たちは心の平和から少しずつ離れてしまいます。
だからこそ、ヨガで身体を調え、坐禅で心を調える時間が大切です。ヨガでなくても、身体をゆるめ、呼吸を調える時間です。坐禅は心を止めることではありません。浮かぶ思いに気づき、それに執着せず、本来の静けさへ還る時間です。池の水も、かき混ぜるのをやめれば自然と澄んで底が見えてきます。心も同じで、静けさはもともと私たちの中にあります。
以前、メキシコで坐禅会を開いたとき、「お祈りでは何を考えているのですか。」と尋ねられました。私は「何も考えていません。ただ、自分の中の平和を感じています。」とお答えしました。
仏教では何かを願うことよりも、自分の心を調え、本来の自己へ還ることを大切にしています。
そのひと坐り、そのひと呼吸の積み重ねが、自分の内に静かな平和を育み、その平和は自然と家族や周りの人へ広がっていきます。
今日もこのひと坐りを通して、自分の中の平和を感じながら、一日を丁寧に歩んでまいりましょう。
