中津川市 浄光寺 住職 福谷 哲生 師
お盆も近くなり、先代の和尚さんたちのお墓を掃除していると、一人のおばさんが花が余ったからとお供えされて行かれました。
その方は自分の家のお墓だけでなく通路の草も綺麗にとっていかれました。この暑い時期に自分の処だけでも大変なのに皆が通る道も掃除することは、自分の為だけでなく、他人にも尽くす菩薩行と言えるでしょう。
あなたも私もいきなり菩薩の心境になれなくても、自分のできることから始めて行く事が大切なのです。自分の欲張った気持ちを抑えて他人に譲ったり、怒りの気持ちを抑えて他人の過ちを許したり、他人に思いやる優しい言葉をかけたりすることは、誰にでもしようと思えば出来ることです。ただその時、相手のことをちゃんと考え、一方的に善意を押し付けたり、自己満足の為にしてはいけません。また、見返りを求めず、さりげなく行うことが菩薩行と言えるでしょう。
他人の悲しみ、喜びも自分のことと感じ、他人を思いやり、行動ができる使途になりましょう。