「思いやりの心」

岐阜市 大覚寺 住職 山守隆弘 師

今年の夏は、パリオリンピックが開催され、テレビの前で「がんばれー」と選手たちに熱い応援をされた方も多かったのではないでしょうか。私も今年の夏、一生懸命がんばる姿に熱く応援した出来事がありました。8月に小学生男子の4年生から6年生の全国相撲大会、「わんぱく相撲」と呼ばれる大会が、東京の両国国技館で行われ、応援に行ってきました。このわんぱく相撲大会は、相撲を通じ、「礼」を学び、「努力する」ことや「思いやり」の心を育むことを目的として毎年行われております。当日は、一生懸命取り組む子どもたちに、応援にかけつけた家族から、テレビで観る大相撲のようなたくさんの歓声が沸き、会場中が熱気に溢れておりました。まだ身体が小さな子もいれば、大人顔負けの体格の子もおり、それでも立ち向かい、投げ飛ばされ、泣いて悔しがる子どもたちの一生懸命な姿から、私も熱くなって応援しておりました。力士が使用する会場なので、土俵から落ちて勝敗が決まる試合もありました。その度に、勝った子が手を差し伸べ、土俵に引き上げて、互いに健闘を称えあい、相手を思いやる光景を何度もみました。小さな子どもにも、相撲を通じて相手を思いやる心が育まれていることを感じました。

仏教では思いやりの心、「慈悲」を大切にします。相手の事を自分の事のように大切にする心、相手の幸せを願う心です。自分の幸せだけでなく、相手の幸せを願い、思いやりの心をもって過ごしていきましょう。