言葉の温度・心の温度

関市 天徳寺 住職 水野 弘基

こんにちは、今回は温度ということに着目してみたいと思います。皆さんは、色に温度がありことを御存知でしょうか?

もちろん摂氏何度とかの単位では測れません。アルファベットのKを用いてケルビンという単位で表されます。太陽や天体の色、或いはLED電球の色、またデジタルカメラのホワイトバランスなどで使用されます。

赤からオレンジ色、黄色、白、水色、青、紫と不思議なことに暖色と言われる赤っぽい色が3000ケルビンぐらいで白が5000~6000ケルビン、寒色と言われる青っぽい色は10000~12000ケルビンと冷たく感じる色ほど色温度は高くなるそうです。

さて、私もよくコンビニをよく利用しますが、自動ドアが開くとすぐ「いらっしゃいませ。こんにちはー」と声が響きます。ふと目を向けるとレジを打ちながら、もしくは棚に商品を並べながら・・・マニュアル化された言葉に温度はあるのでしょうか?もちろん心からいらっしゃいませという気持ちで言っておられる方も大勢いられることでしょう。しかし、決まりだから仕方がなく言っていると思われる人も多く見受けられます。むしろ「いらっしゃいませ」の言葉がなくてもにっこり微笑んで目で会釈された方が暖かい気持ちになるのではないでしょうか?昨今人との連絡は電話よりメールやLINEのメッセージ。買い物をすれば自分でバーコードを読み取るセルフレジ。商品を買うと「まいど、おーきに」としゃべる自動販売機。ともすれば一日一言もしゃべらなくても過ぎていく世界。そしてそれを自然に受け入れてしまっている自分がいる。

技術の発展ととんぉに非常に便利になった世の中。しかし・・・しかし残念だけれど、何か私たちは大切なものを、どこかに置き忘れてきてしまったように思われます。