各務原市 宝禅寺 住職 宮崎 證俊
皆様は験を担いだりしますか。
私は車に乗るとき事故の無いようにと、ハンドルをコンコンと2回叩くのを験担ぎとしています。
つい最近、交差点で一時停止を無視した車に衝突しそうになりました。
幸いにもブレーキが間に合い事なきを得ました。これも験担ぎの効果なのかもしれません。
さて、この験担ぎのゲンという言葉には「仏教の修行を積んだ効果」や「効き目」という意味の他に「縁起」の逆さ言葉だという説もあります。エンギがギエン、そしてゲンとなったわけです。
この縁起という言葉は、仏教の基本的な考え方を示しています。この世界のありとあらゆるものは、すべて関わりを持って存在しているというのです。
私たちに例えますと、自分の命は自分だけのものではないということです。
太古の昔、地球の海に一つの細胞が誕生し、その時から一度も命の糸が途切れることがなかったから、今ここに私たちがいるのです。
そう考えると私が事故に遭わなかったのも多くの縁に守られているからだと思いました。
家族や友人、ご先祖様、そして仏さまのおしえ。多くの繋がりによって今私は生かされているのです。
今この時を大切にし、多くの縁に感謝し生きていくことで、また新たな縁が生まれるのではないでしょうか。