早起きの功徳

恵那市 長徳寺副住職 松本康巡 師

皆様は早起きを心がけていますか。
『朝を制する者は世界を制す。』中国には昔からこの様な言葉があるそうです。早起きという当たり前に言われて来た事が、最近とても注目されている様なのです。
かつて私は福井県にございます、曹洞宗の大本山・永平寺で修行をしておりました。当時は起床が午前三時半で、とても大変であったのですが、なぜこんなに早く起きねばならないのか、それは早起きこそ人が幸せに暮らす為の正しい第一歩だったからです。
夏でしたら、朝の涼しいうちに仕事がはかどり、動いているうちに頭の回転も身体の動きも良くなります。時間の余裕があるので、身だしなみにも十分気を使えて、自分に自信を持って外出出来るでしょう。朝食をしっかり食べる事で、子供さんの学力向上にも繋がります。心にもゆとりを持てて、ストレスの無い気持ちで過ごせるに違いありません。そして人より先に情報を得られる事で、全てに先んずる事が出来るのです。
色々と良い事がある早起きですが、朝早く起き、それぞれ正しく勤めるというのは、大昔から仏教で説かれている教えです。仏教の基本は人が幸せに生活していく為の正しい方法を示しているのですから、それに従えば必ず光明が見えて来るはずです。仕事などで難しい方もいらっしゃると思いますが、出来る方は今より少しづつで良いので、早く起きていく事で世界が変わると思います。ちなみに早く起きれば早く寝ます。節電にもなって一番のエコとなります。やがて生きる目標を見出し、人生を豊かにしていく事となるに違いありません。