思いを伝えるには

加茂郡 白川町 洞雲寺 尾関 大介

人間は自分本意の価値観でものを判断する生き物です。

例え同じ場所に同じ時間で同じものを眺めたとしても、見る人の年齢や出身地、その人の人生経験などによって良いとか悪いといったどう感じるかという判断は千差万別です。更には怒っている時は何を見ても忌々しいなど、その時の感情に判断が引っ張られてしまうこともあります。

社会には様々な価値観の人がおり、そのなかで人間関係を築いていく時に、面白いことが起こります。それは、人は誰の言うことを聞くのか、と言うことです。

親の言うことは聞かないけれど兄弟の言うことは聞くとか、先生の言うことは聞かないけれど先輩の言うことは聞くなど、そういったことは世の中にあふれていることと思います。その人その人にとって強い影響力を持つ人や言葉というのは、その人にどれだけ価値観が近いか、又は共感できるかという事が一つの重要な要因なのだと思います。

人に自分の意思を伝えたいとき又は指導しようと思う時、内容が簡潔であるか、正論であるかというのは確かに大事です。しかし一番に考えるべきは伝えたい相手が話を聞ける状態であるか、ということです。

例えどんなに良い話でも、時間的又は精神的に余裕のない時には誰だって耳を傾けません。まずは相手の状態をよく見て、それからかけるべき言葉を考えた方が、より伝えたい事が正確になるだろうと思います。

相手を想う、それはとても大切な事なのです。

皆様もそういったところを気を付けて、言葉をかけてあげて下さい。