大切な日常

岐阜市 医王寺 住職 透 隆嗣

小泉吉宏という方が書かれた「ブタのいどころ」の中にこんなお話があります。

主人公がお坊さんに尋ねました。「人生にとって何が一番大切ですか?」お坊さんはこう聞き返します。「お昼ご飯は何を食べましたか?」主人公はこう答えます。「そんなことより人生の大切なことを教えてください」お坊さんはその言葉に対して「そうですか。ご飯は大切ではないのかな、お茶を飲んだり、寝転んだり、歩いたり座ったり、泣いたり笑ったりするのも大切ではないのかな」更にお坊さんは主人公に尋ねます。「さて、お昼ご飯は食べましたか?」と。

私達は、自らの夢や目標に向かって進んで行くこと、何かを成し遂げるために努力し続けていくこと、前を向いて進んで行くことは大切なことです。同時に、毎日の生活の行い総てが大切なのだということ。そのことに気づき、自らの足下を見つめて、今この時の一つ一つの行いの大切さをかみしめて日々を過ごしていきたいものです。