変わらぬ思い

岐阜市 木造町 勝林寺住職 副所長 等 真一

平成23年3月11日、東北地方に発生した東日本大震災から今年で丸6年が過ぎました。年忌法要で言います所の七回忌をむかえられ、ご遺族、関係者の方々それぞれが特別の思いでご供養をお勤めいただいたことと思います。今だに二千五百有余名の方の行方が不明とのことで、一日も早くの発見をお祈りするとともに、犠牲になりお亡くなりになられました御方に改めて哀悼の意を捧げたいと思います。

又、平成7年1月17日兵庫県南部を中心に発生した阪神淡路大震災から今年で丸22年、二十三回忌の年忌法要の年となります。こちらのご遺族の方々も又特別な思い出今年の震災の日を迎えられたことと思います。

今年の1月17日阪神淡路大震災の発生した日のテレビのニュースで、震災の時に1歳のお孫さんを亡くされたご婦人のお話が大変心に残りました。「亡くなった当時は孫のために毎日ミルクをお供えして供養をしておりました。あれから22年の月日が過ぎ今はビールをお供えして供養をしております。」と涙ながらに答えてみえました。22年と言う長い年月、お孫さんに対して一日たりとも変わらぬ思いでご供養えお続け共に成長されてこられたのが伝わる心に残るお言葉でした。

「供養」という字を思い浮かべていただきますと、「供」は供えると書きます。「養」は養うと書きます。ご先祖様を「供養」するということは「供え」「養い」ご先祖様と共に成長させていただくということではないでしょうか。

先程の震災でお孫さんを亡くされた方のお話は、一日一日、22年間お孫さんに寄り添い、思いをはせて「供え」「養う」という本当の意味での「ご供養」を続けてこられ、その長い月日の中で、ご本人もいろいろな意味で成長をされてこられたことと思います。

「供養」とは日々のお勤めや、ご法事を勤めいただくだけでなく、ご先祖様を供え養うことによって供養させていただけることに感謝をして、成長させてもらえると思い感じることが大切なのではないでしょうか。

お彼岸のこの時期に、お墓参りやお仏壇にお参りされるときに、ご先祖様に感謝の気持ちと変わらぬ思いで手を合わせたいものです。 合掌