報恩感謝

土岐市  荘厳寺徒弟  軽部文章師

 

報恩感謝という言葉があります。これは、恩に報いて感謝をするという言葉です。

人というものは不思議なもので、自分が他人にしてあげた事は良く覚えているものなのですが、他人からしてもらった事となると、忘れがちとなってしまうものです。

さて、自立という言葉があります。自ら立っというこの言葉ですが、それは決して自分一人の力だけで生きていくという意味ではありません。

何せ、自分一人の力だけで生きていくという事は不可能なのですから、ふと見渡せば目に入る。他の人だけではなく自然にある様々なものも、自分が生きていくには欠かせないものだす。そうしたものが組み合わさって、自分の仕事や生活が成り立っているのですから。

産まれてから今まで生きてきた中で、誰の手も借りなかったと言える人はいないと思います。誰もがそうであるはずです。

報恩というからには、受けた恩に報いるのが一番良いのでしょう。

しかし今は忙しい時代ですので、受けた恩をその都度返すというのも中々難しい話です。ですので、誰かに何かをしてもらったならば、先ずはその事をないがしろにせず、ありがとうと言い、きちんと感謝する様にしましょう。

ありがとうと言える心の余裕を持つ事です。どうしてお互いに敬ってお互いの良い所を知ることができたなら、お互いの心も次第に豊かになっていくでしょう。

周りの人達に助けられ、その事を忘れる事なく素直に感謝する心。その心を持つ事ができれば、自然と周りとの関係も良くなる事と思います。