命の尊さ

光源寺 住職 田中 和彦

この法話を録音しているのは二月の半ばです。昨年秋から世界的に政治が乱れ、日本においてもテロに対する危険が身近になってきました。人の命を懸けて駆け引きが行われ、殺し合いが起こっています。

お釈迦様はお生まれになられたとき、七歩歩んで右手は天を、左手は地を指して「天上天下唯我独尊」とおっしゃられました。天にも地にも我という存在は一人しかいない、だからとても尊い存在なんだ。と言うことです。これは、私にとってもこれを聞いてくださってる皆さんにとっても言えることです。スペアのないたった一つに命を戴いた私たちは尊い命同志助け合い慈しみ合って生きていかなければならないと思います。

しかし、現実には立派な学力を持つ19歳の女子大生が77歳の女性を「一度殺してみたかった」との理由で殺人を犯したり、ともに近所の22歳の男性が小学5年生の男児をナタやナイフを使い殺してしまったりと、信じられないような事件が相次いでいます。他人を変えると言う事は容易なことではありません、しかし自分の人生を変化させることは出来る筈です。

自分の人生をより安心できるより良い方向へ向けていくためには、間違いを犯さず、慈悲の心をもって人とのかかわりを大切にし、一日一日を「あー今日もよい一日だった」と思える暮らしを続けて行きたいものです。