仏教徒としての自覚

飛騨市古川町 林昌寺 東堂 中川鐵哉

皆さんは御自分の家の宗教を御存知ですか?又、御自分も信ずる宗教がありますか?日本人は、大抵仏教徒であると答えます。さらに宗派はとの問いに、「禅宗」「真宗」「日蓮宗」

「真言宗」等とだいたい答えます。その本尊様はとの問いに「南無釈迦牟尼仏」「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」「南無大師遍照金剛」等と答えますが、さらに仏教の教えは何かとの問いに、ほとんどの方が答えに窮してしまいます。キリスト教の信者の方は、はっきりと私達はキリストの愛を信じています。又、キリストの奇跡を信じていますと答えられます。

私達仏教徒は、はっきりと、仏の慈愛を信じていると言える方は少ないのです。世界の宗教は皆「人間愛」を説いています。しかし日本人の日常の生活には、日の出を拝み、日の入りを拝み、自然を大切にし、いろんな物事に対し、尊敬し、感謝し、礼拝することに何の違和感もなく生活してきました。知らず知らずに「仏教の教え」を実践してきたのです。近年生活が豊かになり、何でも手に入る時代に生活する私達は、礼拝する世界から遠のき、仏教をなおざりにし、迷い、それがあたりまえの時代となってきました。

今こそ、日々の暮らしの中に、仏教徒としての自覚を持ち、お寺へ行き、又、自宅の仏壇の前で手を合わせ、その大切な行持として「三帰依」をお唱えすること。

「南無帰依仏」仏様に帰依致します。

「南無帰依法」仏様の教えに帰依致します。

「南無帰依僧」仏様のすべての弟子に帰依致します。

この三帰依を実践することによって、仏教徒となり、各自が「仏教徒としての自覚をもつ」「意識する」ことから正しい生活が始まります。