「トイレの仏様」

岐阜市 勝林寺 住職 等 真一  師

私共のお寺では毎年5月28日に烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)の大祭の御祈禱法要を行い、檀信徒の方にお札を受けていただいております。

何年か前に「トイレの神様」という歌がヒットしましたが、烏枢沙摩明王はトイレの仏様であります。お寺のお手洗いには必ず仏像かお札の形でお祀りされております。

どうして烏枢沙摩明王がトイレの仏様かと申しますと、烏枢沙摩明王は炎の仏様でありこの世の一切の汚れを焼き尽くす功徳を持ち烈火で不浄を清浄にする力を持つことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるといわれております。特に有名な功徳としましてはお手洗いの清めがあります。お手洗いは古くから怨霊や悪魔の出入り口と考えておりましたことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の出入箇所でもあったお手洗いを、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に清めるという信仰が広まり今に伝わっておると言われており、お手洗いの仏様としてお祀りされておるわけでございます。

昨年より新型コロナウイルスの感染が全国に広がり、各地で疫病退散の御祈祷等が行われておりますが、烏枢沙摩明王の神通力で一日も早く感染終息しますよう、祈願させて頂きたいと思います。

最後に烏枢沙摩明王の真言をお唱えさせていただきます。

「おん くろだのう うんじゃく そわか」

合掌